あなたのリモハラ対策できます!リモートハラスメント事例や予防方法

最近、話題の「リモハラ」=リモートワークハラスメント。

コロナ禍でリモートワークが主流となっている会社も多くなっています。

リモート会議がある会社もしばしば。

そこで発生するのは、リモート会議での背景が部屋というだけで、上司や先輩からのプライベートに関する要求や、指摘の数々。

「その指摘は会議に必要?いらなくない?不快なんだけど…」と思った時点でリモハラですよ!

その不快感があるのはあなただけではありません。

世の中にあふれるリモハラ事例を紹介しつつ、それらの対策方法や予防方法も提案します!

リモハラに耐えかねてリモート会議で怒り爆発させる前に、理性をきかせて対応できるようになりましょう。

あなたのそれはリモハラ?リモートハラスメントの具体事例紹介

 

リモハラの事例紹介の前に、まずはパワーハラスメントの定義についておさえます。

実は、2020年6月より厚生労働省から、パワーハラスメントに関する対応策を厳しくする呼びかけが出されているのですよ。

 

パワハラの定義は下の3つの要素すべてを満たすものだそうです。

  1. 優越的な関係を背景とした言動
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  3. 労働者の就業環境が害されるもの

ついでにパワハラの種類もおさえておきます?

興味があればご一読ください。

  1. 身体的な攻撃:暴行・傷害
  2. 精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
  3. 人間関係からの切り離し:隔離・仲間外し・無視
  4. 過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
  5. 過小な要求:業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
  6. 個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること

このパワハラの種類からすると、リモハラの多くは6)個の侵害に当たることが多いようです。

 

それではどれくらいの人が、リモハラに悩んでいるのでしょう?

5月に、ある会社の社内アンケートでとられた結果です。

『Q1. あなたは在宅でのテレワークに際して、上司とのコミュニケーションでストレスや不快感を感じたことはありますか。』(n=110)

「何度もある」41.8%

「ある」37.2%

8割の社員がリモートワークでの不快感をもっているという結果が出ているのです。

おおくの場で、リモートハラスメントに発展する種がまかれているという…

具体的にはどのようなハラスメントが行われているのでしょう。

事例を系統別にしてみました。

 

セクハラ系事例

プライベートな部分が垣間見えるということで、性的な嫌がらせは起きやすいのでしょう。

【業務上必要のないことの強要】

・二人きりのweb会議や通話、飲み会を強要する

・自宅の場所を聞き出したり、来ようとしたりする

・SNSでの個別のつながりを求められる

【自分自身についての指摘】

・容姿について言及する

・全身を映すことを求められる

・異なる格好(パジャマなど)になることを求められる

・体型について指摘される

・化粧の有無や服装について指摘される

【背景(部屋)への指摘】

・室内の様子を映すことを求められる

パワハラ・モラハラ系事例

働きぶりが見えないために、過度に監視、干渉しようとする事例もあります。

【過度な監視】

行動や時間の使い方について必要以上の説明を求められる

・業務時間外のチャットやメール、通話などの対応を強要する

・過度な業務状況に関する報告を強要する

(チャットへの反応が遅れた際に「サボっているだろう」と言いがかりをつける、webカメラで仕事中の姿を常に撮影、共有することを強要するなど)

【生活空間への過度の指摘】

同居者(子どもなど)の声や生活音などについて不快感を示される

たとえば…

「新人のくせにいい部屋に住んでいる」

「子どもがうるさい」

「部屋が暗い、汚い」

「家事の音がうるさいからやめさせろ」

【過度な干渉】

・業務に関する指導以外の説教をされる

・オンライン会議及び飲み会を過度に求められる

・web会議中のリアクション、返事を強要する

・相手の通信環境にケチをつけること、私費での改善強要

【人間関係からの切り離し】

・業務上必要であるのに隔離する

(特定の人物をweb会議に呼ばない、チャットグループに招待しない)

 

以上のようなリモハラ事例が報告されていますが、中でも多いのは「監視」や「プライベートに関する指摘」のようです。

相手にとっては、自分の知っている情報をとにかく多くして、支配欲を満たし、ストレス発散をしたいのかもしれませんね。

それにしても困った事例だらけです。

部屋で仕事をしているというだけなのに…いらない干渉にはどのように対応するのが良いのでしょうね?

 

【対策】もしリモハラを受けたらどのように対応するのが正解!?

さて、世の中のハラスメントを受けた方々はどのような動きをする方が多いのでしょうか?

平成28年度の調査では、「何もしなかった」が40.9%と最も多いようです。

やはりハラスメントに対抗するデメリットを考えてしまい億劫になりますよね。

それでも現状のリモハラはとても困るもの。少しでも改善していければ、と、対策ご紹介します。

 

真っ向から立ち向かう!絶対許せない!

まずは、会社に働きかけたり、正式な手続きをとってパワハラを指摘したい方向けの対策から。

会社に働きかける際には順序があります。

STEP.1
どんなことをされたのか記録する
パワハラを受けたら【5W1H】を記録。事実確認などで有効なので、メモや録音がおススメです。
STEP.2
周囲に相談する
一人で悩まず、同僚や信頼できる上司へ相談。周りの協力を得ることで、パワハラを行う本人が自らの行為に気づく場合があります。
STEP.3
会社の窓口や人事担当者に相談する

上司に相談できない場合、人事部や社内相談窓口に相談。

会社側は相談者の不利益になるようなことはしない厚労省との約束があります。

STEP.4
外部の相談窓口に相談する

社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、外部の相談窓口へ相談。

全国の労働局・労働基準監督署にある総合労働相談コーナーは、無料で相談を受け付けており、電話でも相談できます。

以上の順序で会社を相手取ってハラスメントを訴える方もいます。

相談窓口や過去の裁判事例などが掲載されているサイトもあるので載せておきますね。


参考
トップページあかるい職場応援団

穏便に済ませたい。解消されればこれまでのことは水に流せる!

次に、ハラスメントを裁判沙汰にまではしたくないという方への対策法をご紹介します。

STEP.1
毅然とした姿勢

ハラスメントを受けても強い姿勢で自分の気持ちを述べたり、相手にしないといった毅然な姿勢が、効果がある場合もあります。

しかし、強めの姿勢に出てしまうと人間関係の悪化やハラスメント状況の悪化にもつながりかねないので、相手の様子と自分の態度を客観的にみる必要はあります。

STEP.2
ハラスメントを指摘する

不快感をはっきりと伝えることは、性格や立場上、むずかしいかもしれません。

そこで使える常套句は、「仕事に支障が出る可能性がある」。

相手がハラスメントだと思っていないこともあるので、指摘するのは大切なことですよ。

STEP.3
リモート会議の内容の録音・録画

録画・録音をすることを伝えるのはリモハラの対策にもなるし、予防策にもなります。

ただし、伝えるときの理由には「聞き間違い防止のため」「議事録作成のため」としておきましょう。

STEP.4
カメラをオフにする

部屋や自分自身への指摘、リモート環境への指摘を最大に逃げるには、この方法が最適です。

声だけでも会議はできますからね。

カメラをオフにする理由は、「背景がやかましいと皆さんが会議に集中できないから」とでもしておきましょう。

以上のような対策でも、リモハラが改善されない場合には、先に述べた正式な訴えを起こすことも視野にいれるのが、新たなハラスメントの種類「リモートハラスメント」なのでしょうね。

 

【予防】リモハラは受ける方も原因が!?効果的な予防法

なるべくならリモハラに発展することを防いで仕事を円滑にしていきたいですよね。

原因をおさえておけば、リモハラを避ける行動につながりやすいかな、と、原因を調べてみました。

原因

リモートワークによって、仕事場と自宅との境界がなくなる

これは男性脳によく起きるのかもしれません。

女性の脳内では「仕事」「家事」「結婚」「育児」「交友」などの様々な項目を一緒の“袋”の中におさめて考えています。

そのため、キャパオーバーになった際、袋の中を整理する=削除する作業がしばしば行われ、例えば、「結婚」を取り出せば自分の気持ちに余裕ができるという思考で“熟年離婚”がおきるそうです。

 

一方、男性の脳内では「仕事」や「家庭」などは項目ごとに分けられたカバンを持ち歩いて行動(思考)しているそうです。

そうすると、本来であれば、環境を変えることでカバンを持ち替えて行動できていたところ、リモートワークによって環境が変化せず「仕事」をしているわけですね。

つまり、カバンの持ち替え=思考の切り替えができずにプライベートのような絡み方になりやすい=リモハラに発展しやすい言動をする“セクハラ”になりやすくなるのです。

オンライン会議の際、カメラを通して相手の私生活が見えること

相手の私生活がみえると、自然と興味がわいてしまいます。

仕事であれば見えない部分ですからね。

興味がわくことで“セクハラ”や生活空間へのダメ出しなどの“パワハラ”になりやすいといえます。

指示や確認などのコミュニケーションがスムーズにいかない場合があること

リモート環境が悪いと起こりやすいコミュニケーションの困難感ですね。

議題、話題がスムーズに進まないと、会議の進みも悪くなり、指示出しも確認もしづらくなります。

そして“過度な干渉”が起こりやすくなります。

他者の行動に対する信頼感が低下していること

出勤しての仕事であれば、いやでも仕事姿をお互いにみえることになり、“サボり”が生じにくいですよね。

仕事姿をずっとは見られないリモートワークでは、仕事に対する姿勢において信頼性を失いやすいといえます。

そうすると、「ちゃんと仕事しているのか」という疑念から“過度な監視”につながりやすくなります。

他者との接触機会が減り、ストレスが蓄積していること

根底にあるストレスですね。

リモートワークが始まると性格的に分かれますよね、人と絡まないほうが調子よい人と悪い人。

ストレスがたまっていると、少しでも“幸せそう”な生活空間がみえるリモートワークでは、イライラしてハラスメント発言に発展しやすいのですね。

 

これらの原因をみていくと、そもそもリモートワークがハラスメントのおきやすい環境であるという意識が必要なようです。

リモハラを誘発しないように、リモート環境を整えていくこと、仕事とプライベートを分けている毅然とした態度でいることが大切なのですね。

それでは予防策をいくつかあげていきましょう。

予防策

きちんとした服装をする

リモート会議に使えるアプリで化粧も服もセレクトできるものがありますよね。

そういうものに甘んじてもよし。リアルで化粧してスーツをきるのもよし。

とにかくカメラに見える姿を仕事場で見せる姿と同じようにすることです。

ON/OFFをつけた生活をする

リモートワーク慣れしていないと、仕事に向かう気持ちづくりが難しいとよく聞きます。

着替えをする、仕事部屋をつくる、飲み物を決める、といった決まった生活パターンで切り替えができるようにしましょう。

背景に私生活に関するものを映さない

アプリによっては背景を選択できたりぼかしたりできる機能があります。

寝具、クッション、化粧品などの生活空間において趣味がわかるものを見せず、生活感を知られないことが大切です。

部屋が狭くても、机やパソコンの置き場所や向きを工夫し、私生活に関するものがなるべく映らないようにしましょう。

速やかな反応を心がける

メールであってもリモートであっても同様に、とりあえず返信だけはしましょう。

「今は忙しいので〇時までには返信します」と具体的な時刻まで伝えると、相手の不安を軽くできますよね。

自分からの連絡に対して、相手からの反応が遅いと不安をあおり、監視や過干渉などのハラスメントに発展しやすくなるので、相手の不安を除去していきましょう。

チャットツールやオンライン会議サービスに常時ログインしている場合は、ステータスで「離席中」を選択して自らの行動をアピールするのもよいですね。

オンライン会議以外の方法にする

オンライン会議では生活感が見えやすくなるのであれば、もはや対面はやめて、チャットツールやメール、電話で済ませるという方法もあります。

また、どうしてもオンライン会議になる場合にはカメラをオフにして見えないように、そして生活感を見せたくないという不快感を表示していきましょう。

デジタルデバイスを使う時間の上限を定める

これはON/OFFをつけることにもつながります。

できる限りデバイスの使用時間に上限つくり、先に表明していくことが大切です。

時間が限られていれば、不毛な会話=リモハラもする時間はなくなり、不快を感じる時間を少なくすることができます。

リモートでの対応時間を提示することで、業務時間外の接触も避けることができます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

リモートワークはハラスメントがおきやすい環境ということを踏まえると、相手をあおらない予防策や対応策を講じることが一番大切なのだと気付かされます。

また、世の中でリモハラに悩む人はたくさんいて、一人で悩まずに周りに相談してハラスメントを避けられる空気づくりを助けてもらうのもありですね。

リモハラに苦しまないリモートワーク時間を皆さんが持てますように。