社会人になると多くの人がスーツを着ていることでしょう。
洗えるスーツも売ってはいますが、洗えないものも多数存在しますよね。
洗えないスーツ。どのようにお手入れすればよいのでしょう?
毎日クリーニング?
いやいや、出費がやばすぎますし、クリーニングに出す暇も惜しいし、生地痛みそう…
そこで、どんな頻度でクリーニングにだすのが一般的なのか、また、なるべく出さないようにするお手入れ方法を調べてみました!
スーツの上着もズボンも、ぱりっときれいに心地よく着られるお手入れをおさえていきましょ♪
スーツのクリーニング頻度はズバリ、シーズンにつき1~2回!
シーズンにつき1~2回でいいの!?と思う方もいるかと思います。
いいんです。
なぜなら、クリーニングは見た目をきれいにしてくれるのですが、生地自体を傷めつけることになるからです!
傷めつけられると生地の風合いを損なって劣化し、スーツの寿命は縮むばかり。
毎日の自宅お手入れと、時々のクリーニングで、寿命を伸ばすことが可能です。
そうはいっても、シーズンごとでスーツの素材も着用による痛めつけられ方も異なり、クリーニング頻度は異なるみたいですよ。
それではシーズンごとにクリーニングの頻度と、その頻度の必要性を解説します。
◆春夏のスーツ
“背抜き”仕様、背中の裏地をカットし軽量で通気性が良いモノが多いです。
汗をかきやすい夏場なので、クリーニング頻度は高めで、「2週間に1回」くらいがおススメ。
◆秋冬のスーツ
“フランネル”“ツイード”“ウール100%”など、厚みのある生地や保温性のある生地が増えてきます。
そのため、頻繁にクリーニングにだしてしまうと、生地が傷み、糸切れを起こす場合があります。
こちらは、「1シーズンに1回」くらいの頻度でクリーニングに出すのがおススメ。
そして、これらのクリーニング頻度を低めに保つには、スーツを3着はもち、ローテーションするのが良しです!
そうは言っても、実際に社会人でこの通りにクリーニングに出せている方はいるのでしょうか…
ライオン株式会社が、30才~59才の女性100人にインターネット調査を実施しています。
その結果、約50%が1ヶ月以上洗わずにスーツもしくは制服を着用。
さらに3ヶ月以上洗わない比率が約30%もいることが分かりました。
働き盛りであり、清潔感を保ちたがる女性ですらこのような結果。
男性のものを見つけられず残念ですが、おそらく仕事が忙しい方が多いでしょうから同じような結果になるでしょう。
クリーニング頻度=シーズンごとに1回はあくまでも目安であり、クリーニングに出すことは必ずしも必要ではありません。
先に述べたように、クリーニングに出すほど、スーツの寿命を縮めてしまうので、忙しくてクリーニングに出せない状況はあながち間違いではないのです。
問題は、クリーニングに出さなくてもよいお手入れを毎日行えているか。
クリーニングになるべく出さないためにできること
お手入れなんてしてなかった、脱いだらハンガーにかけて、タンスにしまうか、カーテンレールにかけてるだけだった、そんな声が聞こえます。
ちょっとの意識でスーツの寿命や見た目のきれいさは全然違ってきますよ。
仕事と自宅タイムのON/OFF切り替えに、スーツのお手入れをしてみるのはいかがでしょうか♪
お手入れ方法
これさえすればお手入れは終了です☆
洋服ブラシでブラッシング
やり方は簡単&短時間!
- 着用したスーツを軽くたたいて塵やゴミを浮かせます
- 上から下へと丁寧にブラッシングします
- ラペルの裏や、ポケットのなかやラペルの裏も意外と汚れているので、全体にくまなくブラシをかけます
毎日は難しくても、3回着用したら1回ブラッシングするだけでも効果的ですよ~
ブラッシングお手入れに加えて、スーツによい方法をもう一つ。
スーツの数を増やす
スーツは1回着用したら、2日ないしは3日休ませるのがベスト。
風に通すことで吸収した水分を乾燥させ、シワや型崩れを修復することができますよ。
3着スーツがあれば1週間着まわせますが、5着から6着にできれば、劣化は進みづらく、クリーニングに出す頻度を大幅に低くすることができます。
もちろん、シーズンごとにスーツの素材は異なりますので、春夏と秋冬それぞれ最低3着はあると便利です。
保管方法
お手入れのほかにも重要な保管方法。これも少しの気遣いでOK!
スーツ用の木製ハンガーを使用
クリーニング店でもらったプラスチックのハンガーや金属製ハンガーを使っている方が多いと思います。
それでも十分よいのですが、よりよいのは肩の部分に厚みのある専用の木製ハンガー。
一般的な金属製ハンガーを使用しているとスーツの型崩れにつながるそうです。
また、木製だと、除湿・防湿・芳香効果があるので虫食いやカビを予防できるのです。
そして保管方法としては保管場所も重要です。
風通しがよく直射日光が当たらない場所がベスト
湿度が高い場所だと、虫食いやカビの原因になります。
直射日光が当たる場所だと、紫外線によってスーツの生地が色焼けして変色してしまいます。
クローゼットに保管し、定期的な換気をしましょう!タンス用の除湿剤もあると、尚よいですね。
雨に濡れたときは!?
梅雨や積雪のある時期に不安になるのは、「濡れた時の対処法」ですよね。
雨に濡れたスーツはそのままにしておくと、ウールなどの動物臭が気になるようになり、湿気によって雑菌・カビが繁殖して悪臭がするようになってしまうのです。
さらには、スーツの生地の表面が凹凸を作って波打っているように見える「パッカリング」がおきることも!!!
このパッカリング、ひどくなると元に戻すのも難しいそうです。
濡れたスーツは早急に何らかのケアをすることが必須な訳ですね。
やるべきことを順番にご紹介しましょう。
タオルで水を吸い取る
乾いたタオルでトントン叩いて水分を吸い取ること。
こすって拭くと摩擦で生地を傷めてしまう可能性があるのでご注意を。
また、泥が付いている場合、少し濡らしたタオルで、生地を軽く押さえるようにしながら汚れを拭きとってください。
その後、乾いたタオルで水分を取りましょう。
風通しの良い場所で自然乾燥を行う
次は風通しの良い場所で、ハンガーに掛けたスーツを陰干しします。
エアコンの送風モードで風を送るのもありですね!
さらに、上着は、ハンガーにバスタオルを被せ、その上から掛けると内側の水分をタオルが吸い取ってくれますよ。
パンツはパンツハンガーを使って干します。
上下とも、乾いたら丁寧にブラッシングが大事です。
上記の方法では太刀打ちできないほどびしょ濡れの場合はクリーニングです。
しかし、いくらクリーニングに持っていくとしても、事前にやったほうがよいことは上記と同じです。
タオルで水分と汚れをある程度取り、ハンガーに掛けて陰干ししておくこと。
無造作に丸めて置いておくと、カビやパッカリングの原因を作ってしまいますからね。
そして、クリーニング店では、ドライクリーニングとウェット(水洗い)クリーニングの2つを一緒に頼むのが◎。
水溶性の汚れや臭いも落ちるので、ウェット(水洗い)クリーニングを行っているクリーニング店を選びましょう。ただし、ウェット(水洗い)クリーニングは返却までの時間がかかるのでご注意を。
クリーニング出し方の正解
先ほど、軽くクリーニング方法には2種類あることに触れました。
利用する人が多いのは「ドライクリーニング」
最近、注目されているのは、ダメージの少ない「ウェット(水洗い)クリーニング」
スーツについた汚れによってクリーニング方法を変えるのが大正解!
ドライクリーニング
ドライ溶剤と呼ばれる石油系の有機溶剤を使って汚れを落とすクリーニング方法。
水ではなく油で洗います。
水に弱いデリケートな素材(ウールやカシミアなど)や、水洗いでは型崩れや縮み・色落ちなどが発生してしまうものが洗えます。
- スーツを乾いた状態で洗うので、型崩れや収縮が起きづらい
- 油成分の汚れ落としに強い
- 汗など水溶性の汚れが落ちにくい
- ウールの繊維内にある油分まで溶かすので生地が傷みやすい(出し過ぎには注意)
- 油性ペン、皮脂、化粧品など油汚れを落としたいとき
- 衣替えでスーツを長期保管するとき
ウェットクリーニング
汚れが落ちやすい40~60℃の温水を使い、それぞれの汚れに適した石鹸や溶剤を使って水洗いするクリーニング方法。
家庭では水洗いできないドライクリーニングマークの付いた衣類を洗うことができます。
ウェットクリーニングは高度な技術を要し、細部にまでこだわって仕上げるプロのクリーニングだそうです。
- 化学溶剤を使わないので、風合いの変化が起きづらい
- さっぱりとした仕上がりで、すっきりとした着心地に
- スーツに臭いが残らず、生地へのダメージが少ない
- ドライクリーニングでは落ちづらい水溶性の汚れが落ちる
- ビールやワイン、醤油など食べ物のシミ汚れを落としたいとき
- 夏場、汗の臭いが気になるとき
シーズンで使い分けてもいいですね。
さて、いよいよクリーニングに出すとき!何も気を付けずに出していませんか?
これも少しの気遣いで格段に仕上がりが違いますので、おさえておきましょう♪
色の変色に対応するために、必ずジャケットとパンツは上下一緒に出しましょう。
ジャケットのみやパンツのみで上下別々に出す頻度が高いと、いつの間にか上下で色が違くなります。
また、着心地・風合いに変化がおきる場合もあります。
基本の基本ですが、スーツのポケットの中に何も入っていないか事前に確認しておきましょう。
装飾ボタンや付属品は、外してからクリーニングに出します。
クリーニングに出す前に、スーツ全体をくまなく確認。
事前に聞かれることが多いです。
シミやほつれなど傷みがあるかを把握しておきましょう。
そしてスーツが戻ってきました~透明のカバーをつけたままクローゼットにしまっていませんか…?
スーツが戻ってきたときにもひと手間!簡単な3ステップでスーツが美しく保てますよ♪
普段の保管方法にもつながるものばかりです。
注意してほしいのは、スーツにかかっているビニール袋は出来上がり後のスーツを持ち帰る途中に、汚れるのを防ぐためのものです。
かけたままの保管は、最高に湿気をため込みます。
先にも述べた通り、湿気は、変色やカビが発生しまいますので、カバーは外しましょう。
保管のときにもおすすめした木製のハンガーもしくは肩が膨らんでいるハンガーにすると型崩れしにくいですよ。
ちなみにズボンにオススメのハンガーは、裾を挟んで吊るすデザインのハンガー。
裾から吊るすことでシワが伸び、湿気も溜まりにくい状態でキープされます。
スーツとスーツの隙間を最低でも2cm離して収納がベストです!
隙間なく入れてしまうと、風通しが悪く、シワになりやすく、出し入れするときに生地同士が擦れて傷む原因にもなります。
以上のクリーニング方法やクリニック前後のケアをおさえておくと、スーツのダメージを最小限にとどめることができますよ。
クリーニング価格の相場(からの年間維持費)
スーツのクリーニング代の相場は、ずばりスーツ上下で1,000~2,000円程となります。
しかし、地域差、形態やサービスによって違ってきます。
一般的にドライクリーニングでは、スーツ上下で1,000円~1,800円程度に対し、ウェット(水洗い)クリーニングではスーツ上下で2,000円~4,000円程度、と大幅に違います。
また、お店の規模でも異なってきますので、規模ごとに使いたいシーンもご紹介。
個人経営や高級クリーニング店
相場:
2,000~数万円程(個人経営)
5,000円~(高級クリーニング店)
個人経営のクリーニング店は、処理の工程(包装まで)を職人さん一人で行う場合が多い。
1着1着を丁寧に行ってくれるので、仕上がりがよく高品質となり、割高となります。
スーツの状態、汚れの程度をしっかりと調べ、スーツに適したお手入れ・クリーニングを行ってくれる高級クリーニング店(専門店)では、さらに割高。
長く着たいお気に入りのスーツや、特別な日の為にスーツを出すのは良いかもしれません。
クリーニングチェーン店
相場:
1,000~2,000円程
特徴としては、仕上がりまでの早さと安さ。
ドライクリーニングであれば1日~5日で仕上がります。
(*ウェットクリーングの場合は1週間~10日が一般的)
さらにチェーン店は、近所であればポストにチラシが投函されていることがあり、キャンペーンやクーポンなどが充実しているのでお得に利用しやすいです。
毎日着るスーツや、忙しいビジネスマンにはオススメですし一般的でしょう。
宅配クリーニング店
相場:
1,000~2,000円程(+送料) 1週間
最近話題なのは宅配クリーニングです。
時間指定で自宅から衣類を送り、クリーニングされた衣類を届けてくれるシステム。
インターネット環境があれば、いつでも申込みが可能。
別途送料がかかる場合があるので、事前にチェックは必要です。
仕事や家事で忙しく、営業時間内にクリーニングに出すのが難しい方はとても便利ですね。
たとえば、せんたく便という会社。
- 次に使う時期まで保管していてくれる
- ボタンの取り付け補修や毛玉取りが無料
- 24時間いつでも注文可能
という点がウリのようで、利用者は増加中とのことです。
参考までにURL載せておきますね。
さらに、クリーニングにはオプションがあり、これによっても価格は変動します。
- 汗抜き加工
衣類の生地に染み込んだ汗を取り除く加工。
夏場のスーツクリーニングには最適といえますね。 - 折目加工
スーツのパンツなどの折り目をピシッとつけてくれる加工。
持続性が高く、新品のような状態で着たい方にオススメ。
ただし、この加工は自宅にスチームアイロンがあれば十分に再現可能です。 - 撥水加工
通気性を保ちながら、雨や油などにかかってもはじいてくれる加工。
水だけではなく、花粉対策としても良いので、梅雨や花粉症に時期にオススメですね。
これらを総合すると、やはり2000円以上×1シーズンに2回(8回くらい)=16,000円以上は年間でかかることになります。
お手入れをきちんとしていないと、よりクリーニングに出したくなったり、早々とスーツの寿命をむかえるということも。
そうしたらクリーニング代にプラス、新しいスーツ購入代がかかってくるわけです。
恐ろしい出費ですよね。
と、いうわけですので、毎日とは言いません。
湿気を避け、3回に一度のブラッシングをしたり、スーツの着回しで事なきを得ましょう。
さいごにプラス豆知識。
スーツの寿命ってご存じですか?
一般的なスーツの寿命は、夏モノのスーツで3年、冬モノのスーツで4年だそうです。
これが、毎日のお手入れ+スーツのローテーションで、5年以上着ることができます!
すごいお得感!!!
また、スーツの生地によっても寿命は変わります。
良い生地を選ぶ基準の1つとなる「Super’s表示」。
スーツ生地の品質、ウールの繊維の太さ(繊度)を表す数字になります。
表示されている数字が高ければ高いほど、繊維が細く高価な生地となります。
細くなると繊細になり、きちんとしたお手入れが必要に。
手間はかかりますが、きちんとしたお手入れにより、上質な生地で作られたスーツの耐久年数はどんどん長くなります。
そして、スーツの寿命の見定め方とは「スーツのテカリ」。
テカリの原因は、
- アイロンのかけ過ぎ
- 荷物入りの肩掛け(リュックサック)などで鞄が押され続けること。
- 自転車での通勤時やデスクワークでのイスとの摩擦
- デスクワークのパソコンや資料作成などで起こる机と袖口の摩擦
部分的にでもてかてかしてきたら、それはスーツの寿命なので、迷わず新潮しましょう。
おわりに
スーツの状態を“自己管理”“仕事の裁量”のうまい下手ととらえる人も少なくありません。
心地よく仕事をできるように、いまいちど、スーツのお手入れを見直してみましょう。
この記事で、スーツの最適なお手入れをしたうえで、最低限のクリーニングがスーツにとって良いものという意識をつけていただけたら幸いです。